婦人科がんと言われたあなたや家族のかたへ
がんになったとき、一番知りたい情報は何でしょうか?
「これが効きます」といった本や雑誌は世の中にあふれていて、病気でなければ決して信じない話も信じてしまうことがあるかもしれません。ついつい頼ってみたくなることもあるでしょう。そんな時に、最善の医療を求める努力をあなたと一緒にしたいと思ってこのHPを開設します。
私は看護師です。20年ほど前に子宮がんになった看護師からリンパ浮腫になってつらいので研究したいと相談を受けました。リンパ浮腫になった人たちがどんな生活の工夫をしているか、医療職は仕方がないなあと言うだけだからといった内容でした。その思いに答えたいと私もいろいろ探し、リンパ浮腫の現実を知りました。しかし、彼女は、研究に取り組めませんでした。病院の倫理委員会が通過しなかったように記憶しています。彼女の思いが強すぎて客観的には研究ができないと判断されたのです。
その後、私の中でも課題となり、テーマのなかった大学院生に、リンパ浮腫に取り組んでみてはと勧めました。リンパドレナージュで有名な医師のところに通って手技をマスターし、介入研究に取り組みました。わずか8名でしたが、手術前から患者さん自身がセルフチェックをしてマッサージを行うという研究です。マッサージをすることでおおむね周囲径は小さくなったのと病院の医療職が気づく前に発見できて、早期の診療につながった人もいました。この成果を研究発表として促してもできていないのはかえすがえすも残念です。
その後、また婦人科がんのテーマで取り組みたいといった大学院生がいました。その院生がきっかけでまた婦人科がんに向き合う機会を得られました。
様々な学会や勉強会に参加して気がつくことは、がんと診断された病院によって得られる情報が限られているということです。例えばリンパ浮腫になったとしても手に入りやすいのは、病院に出入りしている業者の弾性ストッキングです。
私たちの目指す看護は、患者さんの生活に寄り添い、価値観を大切にする。その中でも最新の医療も知っている。治療をはじめとして生活に関することも患者さん自身が知って、根拠に基づいたものを選べる世の中であってほしいです。
生きること、生活すること、楽しむことをあきらめないでください。あなたとともに。
代表 川西 千惠美